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初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
イギリスのシンボルにもなっている犬種であり、かつては闘犬として活躍するために特徴的な外見が作り出されました。ブル・ベイティングと呼ばれる娯楽が長く存在していましたが、この娯楽がイギリスに入ってきたのは12世紀のことです。ノルマン人がイギリス征服を果たした後、ノルマン人の曲芸師が雄牛やクマと一緒に原始的なマスティフ種を連れてきたのがその始まりです。ブル・ベイティングは鎖につながれた雄牛やクマを死ぬまで犬に咬みつかせる残酷な娯楽でしたが、何百年もの間あらゆる階級の人々が熱中し、動物たちに多額の賭け金をかける非常にポピュラーなレジャーでした。16世紀までは小作人の娯楽であったブル・ベイティングは王室でも開催されるようになり、エリザベス一世は各国から訪れる大使のために頻繁に行っていたと言われます。この頃になるとこうして使われる闘犬の質を本格的に改良しようという動きが各地でみられるようになります。ブル・ベイティングは雄牛に飛びかかった犬が力強い口で雄牛の耳や鼻、舌などに食いついて引き倒すまで決して離さないのが基本です。そのため、犬の頭蓋部の構造を大きく幅広く改造し、また鼻をあごのラインよりも引っ込ませることで雄牛に食いついている間も呼吸が続けられるようにしました。さらに雄牛を引き倒すための重量を保ったまま牛の角に簡単に突かれないように小型化してできたのがブル・ベイティング専門の犬、ブルドッグなのです(ブル=雄牛)。
ブルドッグが完成したのは1600年代の事で、その後残酷なスポーツが禁止される1835年までブル・ベイティングは続けられます。ブル・ベイティング禁止と共にブルドッグはその役割を失いましたが一部の家庭でペットとして残っていたため、絶滅を免れ、1879年にはケネルクラブで犬種として公認されました。ここからさらに現在のブルドッグの新しい歴史が始まります。
闘犬に使われていたころの獰猛さは選択的繁殖によって無くなり、のんびりとした愛情豊かな家庭犬(ペット)となりましたが、近代のブリーディングによって改良されたのは性格だけではなく外見上の特徴も変わったとされます。雄牛に咬みつきながら呼吸ができるように短くされたマズルはさらに短くされ、極端につぶれた顔を持つ現在のブルドッグは、ブル・ベイティングを行っていた頃のブルドッグとは全く異なる姿形をしているといわれます。この極端に強調された外見上の特徴が原因と思われる眼病、呼吸器不全、先天性心臓疾患、歯科的な問題、皮膚病、脊髄変形等の疾患に悩まされることが多く、その健康性が疑問視されています。原産国のイギリスでは2009年にブリーダーが極端な解釈を受けないように犬種スタンダードを改訂しました。
性格の特徴
現在では闘犬らしさは改良され、見た目は怖そうでも実際は愛嬌たっぷりのかわいらしい家庭犬です。闘犬時代の頑固さは残っていると言われますが、決して覚えられない犬ではないので基本的なしつけは根気強く教えましょう。身体的にも激しい運動には向かないため、のんびりと日々の散歩を楽しみたい飼い主さんにおすすめです。
見た目の特徴
体高は低いのですが、横幅が広く、力もあり、引き締まった体と丸い顔をしています。ボディと顔がシワシワなのも特徴です。スクリューテイル。短毛のため、日常的には体を拭く程度で済むので非常に簡便です。あとは顔のシワに汚れがたまり易いので、しわの間を拭き取って清潔に保つようにしましょう。激しい運動を避けたり、飛行機に乗せられない等の生活上の注意事項があるので事前に家族間で確認を。また肥満に注意すること、暑さに弱いため温度管理をすること。犬種の歴史にある通り、健康には恵まれた犬種では無いとも言われるので、見た目の特徴よりも健全性に重きを置いて繁殖しているブリーダーを選ぶようにしましょう。
ブヒブヒと鳴らす鼻がかわいいともてはやされがちですが、短頭種(鼻ペチャ犬)の極端な身体的特徴は犬種の健全性が損なわれていると世界的に問題になっています。大きな鼻音やいびきは深刻な問題になっており、呼吸器障害の疑いがあるとされています。この犬種の当たり前と思わないでね!
犬種名 | ブルドッグ イングリッシュ・ブルドッグ(Bulldog) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 大型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 20分×2回/日 |
平均寿命目安 | 8~10歳 |
体高目安 | 31~36cm |
体重 | ♂25kg ♀23kg |
犬種グループ | 2G使役犬(working dog group) |
その他関連犬種:マスティフ、フレンチブルドッグ、アメリカンブルドッグ他
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