ヨーロッパ原産 人気度★3犬種 大型犬 抜け毛(多い) 牧羊犬・牧畜犬

ジャーマン・シェパード・ドッグ

犬図鑑 ジャーマンシェパード 警察犬 軍用犬
Photo by Reba Spike

人気度       3 out of 5 stars

初心者向き     2 out of 5 stars

お手入れの簡便度  3 out of 5 stars

ドイツ、オランダ、ベルギーには、土着の牧羊犬を改良し、超優秀な作業犬として血統犬種になった犬が数種類いるよ。「シェパード」というと、このジャーマン・シェパードを思い浮かべる事が多いけど、複数の国にシェパードと名の付く犬が存在するんだ。詳しくは最下部、関連犬種を見てね。

日本でも第二次世界大戦の時に軍用犬として登用されていました。

犬種の歴史

警察犬、軍用犬、盲導犬などで活躍するジャーマン・シェパードは、土着の牧羊犬種が改良されて作業犬として活躍することが多くなりました。現在もドイツで牧羊犬として使われる10種を一括してオールド・ジャーマン・ハーディング・ドッグと呼びますが、この中から選択された犬たちからジャーマン・シェパードは生まれました。日本では警察犬のイメージが強すぎて牧羊犬として働いているジャーマン・シェパードはピンと来ないかもしれませんが、本来の用途は牧羊犬であり、犬種グループも牧羊犬グループに所属しています。ランディングと言われる作業法で、羊が隣の畑地に入っていかないように、行ったり来たり走りながら羊の周りに生きた柵を作り出します(下部表参照)。群れを離れようとする羊が居れば、声を立てずに、軽く、けれども確実に群れの中に羊を押し戻します。吠えれば群れ全体を驚かせることに繋がり、羊の脚を軽く咬むことも、羊がパニックになり怪我をする恐れがあるため避けなければなりません。そのため、牧羊犬は、機敏で賢く、声を立てずにひっそりと行動し、冷静で落ち着いている犬である必要がありました。そして同時に、生きた柵を作り続けるための力とスタミナと集中力が求められ、これらすべてを満たす犬としてジャーマン・シェパード・ドッグが誕生しました。

犬種図鑑 オールドジャーマンハーディングドッグ シュバルツァー
オールド・ジャーマン・ハーディング・ドッグの1つ、「シュバルツァー」
Photo by Marco Verch
牧羊犬の種類 ハーディング

19世紀後半、既にベルギーはベルジアン・シェパードなる牧羊犬4種を作り上げていましたが、ドイツは国を象徴する自慢の牧羊犬を作り上げようとしていました。牧羊犬でもあり、多方面で活躍できる作業犬、その理想的な犬をとことん追求して作られたのがジャーマン・シェパード。犯人の足跡を臭いで追跡し、腕に咬みつく襲撃訓練の様子は多くの人が一度は目にしたことがあるでしょう。税関での麻薬探知犬、災害時の災害救助犬、軍用犬、日本ではあまり見ませんが盲導犬として視覚障害者を導くこともしています。今日のジャーマン・シェパード・ドッグという犬種が持つ驚異的な多面性を見れば、この犬種の生みの親マックス・シュテファニッツ氏が、一切の妥協を許さず、「ジャーマン・シェパード・ドッグ」(=ドイツの作業犬)を一貫して作り上げた信念を感じることができます。シュテファニッツ氏はドイツの牧羊犬にその才能を見出し、選り抜きの個体を入念にかけ合せ、この犬種を作り上げました。

性格の特徴

警察犬として犯人を追い詰めたり、事件現場で嗅覚作業をしている様子等をニュースで見かけることが多いので、怖い犬というイメージがあるかもしれませんが、ジャーマン・シェパード・ドッグは、日本でいう犬の感覚で、ヨーロッパ各地で家庭犬(ペット)として飼われている犬です。独特の作業犬メンタリティを持ち、どんなに差し迫った状況でもパニックに陥らず、その場に合った振る舞いができる神経の太さ、自信と精神的なバランス、同時に防衛本能と勇気を持ち、かつ人に従うこともできる協調性を持ち合わせた犬です。頭を使うことが好きで学習力も高いため、決して訓練は難しくありません。もちろん、防衛本能を適切に管理し作業意欲を満たす生活をさせてあげなければ、大型犬であることもあって、ひとたび問題行動を起こすと大きな事態になる可能性があります。適切な犬の扱い方の知識を持ち、基本的な訓練を教えることができる人が飼い主さんになってあげてください。

見た目の特徴

ジャーマン・シェパード・ドッグと言えば、背中から尻尾にかけて傾斜があり、おしりが低くなっているイメージがあると思います。これは過去に「姿勢を低くして今にも素早く行動に移ろうとしているようでカッコいい」と考えられていたためですが、20世紀に入り価値観の変化と共に、この姿勢が腰に悪影響を及ぼすことから、あまり傾斜をつけない方が良いという考えも多くなってきています。ダブルコートのため抜け毛は多く、こまめなブラッシングで取り除いてあげると良いでしょう。毛が長くないジャーマン・シェパードが主流ですが、昔からロングコート(長毛)の個体が生まれる事があり、過去には認められていませんでした。近年ロングヘアーのジャーマン・シェパードも認められるようになり、本国ドイツにもロングヘアー・シェパードの協会が存在します。作業犬としての能力は通常のコートもロングヘアーも変わりません。カラーはブラックやグレーの単色の個体も存在します。

犬種名ジャーマン・シェパード・ドッグ(German Shepherd Dog)
原産国ドイツ
大きさ大型犬
抜け毛の量多い
最低運動量目安60分×2回/日
平均寿命目安10~12歳
体高♂60~65cm ♀55~60cm
体重目安30~40kg
犬種グループ1G 牧羊犬・牧畜犬(herding group)

その他関連犬種:ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ/ベルジアン・シェパード・ドッグ4種(マリノアラケノアタービュレングローネンダール)/ダッチ・シェパード・ドッグ/シャイロ・シェパード・ドッグ(FCI未公認)/イースト・ヨーロピアン・シェパード(FCI未公認)他

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