人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
この犬に関する最も古い記録によると、その名称はブル・アンド・テリアとされています。今日のブル・テリアの先祖はブルドッグとスムース(短毛)タイプのブラック・アンド・タン・テリア(後のマンチェスター・テリア)を交配させたものです。1835年、イギリスの議会は闘犬とブル・ベイティング(牛を犬でけしかけるスポーツ。詳しくはブルドッグのページにて。)の禁止を申し渡しましたが、この残酷なスポーツの愛好家は地下に潜り、人目につかない特別なリング上での闘犬が考案されました。ブルドッグは動きが鈍く、スポーツとして迫力に欠けるということでテリア種を掛け合わせることになったのです。こうして改良されたブル・アンド・テリアは「究極の闘犬」と言われ、この犬を使った闘犬はロンドンやバーミンガムを中心に広がりました。ブル・テリアはブルドッグの持つスタミナとパワーと重量感、さらにテリアの賢さと素早さを兼ね揃えていました。時代と共に徐々に闘犬スポーツの世界が狭くなっていきましたが、いつの時代も犬種の情熱家が存在しているものです。失業していく闘犬種に家庭犬としての道を見出してもらおうと、ブリーダーは性格改善をしてブル・テリアという犬種を残すことにしました。1850年代になると、バーミンガムのジェームス・ヒンクスという人物が、当時のブル・テリアにオールド・イングリッシュ・ホワイト・テリア(今は絶滅)を掛け合わせ、その他ダルメシアンなども加え、白い被毛に時折、黒い斑点のある均整の取れた犬に作り上げたと言われています。1887年、ブル・テリアは正式な犬種として公認されました。
性格の特徴
犬種が誕生した後の100年後におけるブル・テリアの変換は目覚ましく、明るくポジティブでおどけた様子がこの犬種の性格のトレードマークとなっています。特に子犬~年若いうちは、エネルギッシュで常に何かやる事を求めています。犬種の歴史から当然のことですが、咬む力が強いので家具や物を破壊することで、家の中でもエネルギーのはけ口を探す犬種でしょう。激しい運動をさせるよりは、頭や嗅覚を使った遊びを取り入れ、精神的な刺激で満たしてあげることが大事になります。通常の基本トレーニングやトリック(芸)の練習を遊びとして取り入れたり、ノーズワーク等の嗅覚を使ったゲームを考え、生活の中に取り入れられる飼い主さんであることが望ましいでしょう。テリア種にありがちですが、急にスイッチが入って感情を高ぶらせることがあるので、おもちゃ遊びや引っ張りっこ遊びで興奮を高めすぎないようにしましょう。おもちゃはピーピー音が鳴らない物を使い、ゆったりとした動作で犬の興奮を調節しながら行います(音や激しい動きで興奮が高まりすぎないように気を付ける事)。社会化トレーニング、環境馴致(慣れる)トレーニングも忘れずに。
見た目の特徴
大きさの割にがっちりとしているので体重は重いです。(この図鑑では体重を基に大きさを分類しています。)
卵形の頭部、長めで独特なマズル(口吻)と短い手足が特徴です。短毛でフラット、均等で粗い感触。光沢があり、寒い時期には柔らかい下毛が生えることがあります。ホワイト、ブリンドル、ブラック・ブリンドル、レッド、フォーン、トライカラーなど、有色には様々なカラーがあります。この犬種には大きさにおけるスタンダードのサイズ規定がありませんが、ミニチュア・ブル・テリアの体高上限が35.5cmなので、この高さがブル・テリアの最低体高になります。子犬を購入する時は、この犬種の特徴を熟知したブル・テリア専門のブリーダーを探し、親犬の性格、健康上の問題などを念入りに確認してから選ぶようにしましょう。純白タイプには聴覚障害が出ることがあるため注意してください。
犬種名 | ブル・テリア(Bull Terrier) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 大型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 40分×2回/日 |
平均寿命目安 | 11~14歳 |
体高目安 | 35.5cm~ |
体重目安 | 24~28kg |
犬種グループ | 3G テリア(terrier group) |
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