人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
ゴードン・セターはスコットランドのセターで、スコティッシュ・セターや、毛色からブラック・アンド・タン・セターと呼ばれることもあります。1500年代から1600年代にかけて、セターと言えば獲物を見つけたらうずくまり(setting)、獲物の居場所を人間に知らせるという行動を取る猟犬一般を指していました。スコットランド東部のフォーカバス近くのゴードン城にて、アレクサンダー大公(ゴードン公爵)がケネル(犬舎)を所有し、高い作業能力を持つセターを作出していました。イギリス北部の荒野で悪天候でも長時間狩猟に使える力強いセターを作ることに生涯を捧げ、彼のケネルはこの犬で有名になりました。足の早さでは劣るものの、従来のセターよりも丈夫な足を持ち、持久力のあるたくましい犬が出来上がりました。ゴードン公爵は毛色等の見かけにはこだわりが無く、ケネルには様々な毛色の犬がいたと言われてます。
彼の死後、残された11頭の犬は1836年にオークションにかけられ、その中の1頭が黒地に赤いマーキング(ブラックアンドタン)、1頭は真っ黒、もう1頭は赤と白、残りは黒と白の犬でした。このブラックアンドタンの犬が、当時のセターのドッグショーでコンスタントに勝利を収めるので、イングリッシュ・セターの愛好家が異議を申し立て、別々のクラスで審査するように要請しました。その結果、ブラックアンドタンのセターのブリーディングでは、同じコートカラー(被毛の色)の犬しか交配が許されなくなり、他のカラーのセターとは掛け合わせてはいけない事になりました。こうして、コートカラーによって審査のクラス分けがされたことから、狩猟能力よりも外見重視のブリーディングが続けられ、遺伝子プールが狭まる結果となり、彼らに仕事の能力を求める狩猟家たちは、次第にブラックアンドタンの犬に関心が薄くなっていきました。現在では、ヨーロッパの国の中で、狩猟能力を保持しながらゴードン・セターの良い血を絶やさないよう、努力がなされています。
性格の特徴
犬種スタンダードに「ゴードン・セターは利口、高貴で作業欲が強い犬。勇敢で社交的、ムラの無い気質」と記されています。一人の飼い主と共に単独猟に赴くことから、他人には警戒心を持ちやすく、所有者が変わることはこの犬にとっては大変苦痛です。子犬の頃から一貫したトレーニングができる飼育経験者が望ましいでしょう。将来は狩猟欲旺盛な犬に育つので、たっぷりと犬との時間を取れる生活ができること、単調な散歩や遊びだけではなく犬に作業をさせてあげられるモチベーションのある人が飼い主として適切です。嗅覚作業(ノーズワークや実際の鹿や猪の足跡追及など)をさせてあげると、とても意欲的に取り組み、本犬のQOLにも非常に良い影響を与えられるでしょう。
見た目の特徴
漆黒のブラックにチェスナットブラウン(栗色)のタンマーク(ブラックアンドタン)。ウェーブがかった被毛はシルクの様に光沢があり、成長すると全身が適度に長い長毛に覆われます。美しい被毛を保つために日々のブラッシングは欠かせません。ダブルコートのため抜け毛は多いです。
犬種名 | ゴードン・セター(Gordon Setter) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 大型犬 |
抜け毛の量 | 多い |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 10~12歳 |
体高 | ♂66cm ♀62cm |
体重目安 | ♂29.5kg ♀25.5kg |
犬種グループ | 7G ポインター・セター(pointer/setter group)」 |
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Photo by richkidsunite