人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
アルプスの少女ハイジに出てくるヨーゼフだよ!
犬種の歴史
スイスの国犬。世界屈指の重量級の犬で、133kgを超す記録を持っています。かつてはこれほど重くはなく、雪山で救助犬として活躍していました。スイスとイタリアの国境にあるアルプス山脈の峠、グラン・サン・ベルナール峠の峠越えの救護所で救助犬として飼育され、犬たちは実に2000人以上の命を助けたと言われます。その中で最も有名なバリーという犬は一頭で40人以上を救った英雄として、現在も剝製にされてベルンの自然博物館に展示されています。
アルプスの村には、8世紀頃からローマ人が置いていったモロッサス系の犬(マスティフ系の祖先の犬)の生き残りが各地で番犬として活躍しており、この犬がセント・バーナードの祖先になったと考えられています。グラン・サン・ベルナールの僧院でこの犬種を番犬として飼い始めたのは17世紀の中頃になります。バリーが生存していたのは1800年から1814年になりますが、19世紀の初めにはアルプスの冬の嵐が非常に過酷で、救助に行った救助犬たちが何頭も死んでしまったため、被毛を厚く改良することにしました。1830年に数匹のニューファンドランド犬を入手して短毛の救助犬とかけ合わせることで被毛を厚くし、その他犬種も交配することで、冷たい風から身を守りやすい長毛の犬が出来上がりました。ただし、長毛にすると雪が玉になりやすく体が重くなってしまうため、救助犬として適切ではないという意見もあり、結果的に今日でも長毛と短毛のセント・バーナードが存在します。20世紀に入ると、ドッグショーでの見栄えが良いという理由で長毛タイプの人気に火が付きます。
セント・バーナードと言えば、首にブランデーの樽を下げて救助に行く姿が有名ですが、実際にはイギリスのヴィクトリア朝の画家エドウィン・ランドシアが、遭難した旅人を救う2匹のセント・バーナードを絵画にした際に、救助場面を盛り上げるために木製のブランデー樽を付け加えたと言われています。現在は救助犬の仕事をするセント・バーナードはほとんどおらず、温和でのんびりした家庭犬(ペット)として親しまれています。
性格の特徴
温和でどっしりと重量感のある動きをします。激しい運動が必要というよりは、広いスペースを自由に行き来できる環境が望ましいでしょう。俊敏なドッグスポーツや服従訓練に貪欲に取り組みたい人には不向きですが、大きな犬とひたすらのんびり暮らしたい人にはうってつけです。子供好きな犬として有名でもありますが、幼犬期から人間の子供と一緒に育てれば、の話です。子供に何をされても平気な訳ではないので注意してください。防衛本能も持っているため、適切な社会化トレーニングを必ず行いましょう。
見た目の特徴
超大型の犬のため、広い飼育スペースと餌代等の飼育費用がかかります。ダブルコートのため、抜け毛は多いです。暑さにも苦手なので日本でも寒い地域での飼育が望ましいでしょう。ブラッシングと目の手入れは重要です。よだれも多く出る犬種です。被毛のカラーは、白地に小さなあるいは大きなはっきりとした赤の斑、または明るい赤から暗い赤のマントルが背と横腹を覆っています。ブリンドルカラーの赤っぽいブラウン、茶色系の黄色い斑も許容されます。
犬種名 | セント・バーナード(St.Bernard) |
原産国 | スイス |
大きさ | 超大型犬 |
抜け毛の量 | 多い |
最低運動量目安 | 40分×2回/日 |
平均寿命目安 | 8~10歳 |
体高 | ♂最低70cm、最高90cm ♀最低65cm、最高80cm |
体重目安 | 50~90kg |
犬種グループ | 2G 使役犬(working dog group) |
その他関連犬種:チベタン・マスティフ他
Photo galle