人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
かつては「ロットワイル」と呼ばれ、「ロッティー」という愛称もあります。ドイツ南西部ビュルテンベルク地方の町、ロットワイルに由来しており、この町は牛売買の取引の中心地でした。19世紀中頃、輸送手段がない時代は農場から市場までは徒歩で移動せねばならず、畜牛業者はデコボコ道を何頭もの牛を連れて長距離移動をしていました。その作業を手伝う牛追い犬としてロットワイラーは生まれます。牛を追うこと以外にも、付近に出没する盗賊を追い払う役目もあったため、力強い大型犬である必要がありました。その首に現金をぶら下げて守っていた程です。「肉屋犬」と呼ばれたくらいなので、畜牛業者にとっては定番の犬だったのでしょう。スイスに近いこともあり、スイスの牧畜犬とドイツ南部の牧畜犬が牛取引を通じて交じったと考えられます。この犬は古代ローマ人が畜牛を管理するために同行したマスティフ系の大型犬が祖先と言われており、それがスイスでバーニーズとなり、ドイツではロットワイラーになりました。そのため、この2犬種は系統的に近いと言えます。
19世紀に産業革命が起き、鉄道が発達すると共に次第に牛追い犬の役目も無くなっていきます。ロットワイラーの頭数はどんどん減り、20世紀初頭には絶滅の危機に陥りますが、1914年第一次世界大戦が始まると、ドイツ軍の軍用犬として新たな仕事が与えられます。そして戦後は番犬として人気が出て頭数も安定します。1930年代にはイギリスやアメリカに輸出され、1935年にアメリカンケネルクラブに、1966年にイギリスのザ・ケネルクラブに正式に承認されました。その後は警察犬、介助犬、災害救助犬としても活躍しています。
牧羊犬グループ(1G)に属さない犬も、同様に家畜を追う仕事をしていた犬もいるよ。どちらかというと2Gの犬たちは野生動物や盗賊から家畜を護衛するための番も任されていたんだ。
性格の特徴
粘り強く勇敢で、活力旺盛、一般の家庭犬種と比べて防衛気質はかなり強いと言えます。かつての畜牛業者が好んでこの特徴を作り出した犬なので当然と言えます。しかし警察犬や救助犬として活躍しているので、決して訓練性能が悪い犬ではありません。子犬の頃から十分な運動と社会化トレーニングを必要とし、ある程度の知識とトレーニング経験を持った飼い主向きと言えます。様々な環境馴致(慣れる)や、ありとあらゆる年代・性別の人間に慣れる手間を惜しまずに。早期に社会性を身につければ、攻撃的な犬種だとの世評とは裏腹に、愛情深く献身的な家庭犬となれるでしょう。暑さが苦手。肥満にも注意しましょう。
ロットワイラーはアメリカではラブラドール、ゴールデンと並ぶほど人気犬種です。ヨーロッパでも毎年10位以内にランクインするような犬種です。防衛気質も強く、飼育頭数も多いことから咬傷事故が起き、怖い犬というイメージを持たれがちですが、きちんとした飼い主によるしつけができれば愛情深い家族になれます。犬種や見た目だけで決めつけず、自分の経験、生活、環境に合った犬を選びましょう。
見た目の特徴
ダブルコートで上毛はミディアムの長さ。全体的に短毛なので手入れは簡便です。カラーはブラックアンドタン。タンは脚、胸、喉、顔に限られます。体高よりも体長がやや長く、たくましい体つきです。断尾されることがあります。
犬種名 | ロットワイラー(rottweiler) |
原産国 | ドイツ |
大きさ | 超大型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 8~10歳 |
体高 | ♂61~68cm ♀56~63cm |
体重 | ♂50kg ♀42kg |
犬種グループ | 2G 使役犬(working dog group) |
その他関連犬種:マスティフ他
Photo gallery