人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
イギリスには何百年も前からスムースヘア(短毛)のブラック・アンド・タン・テリアが住んでおり、多くのテリアの原種であろうと言われています。マンチェスターやリバプールの工業地帯では労働者の余興として、これらのテリアを使ったラット・ベイティング(囲いに数十匹のネズミを入れて、時間内に何匹殺すことができるか競うスポーツ)が盛んに行われていました。特に鉱山地帯では、莫大な賭け金が動き、殺せば殺すほど犬の値打ちが上がる状態。その最高記録は5分半の間に100匹を仕留めたとされ、3.3秒に1匹の割合としてレコードに残っています。そんなネズミ捕りテリアに小型のサイトハウンドを掛け合わせたら、素晴らしいウサギ狩りの犬が出来上がるだろうという発想から生まれたのがマンチェスター・テリアです。主にウィペットが交配されたと言われ、元のブラック・アンド・タン・テリアよりも流線形で運動能力が高い犬になりました。ラット・ベイティングをしていた頃は、ネズミに耳をかじられないように断耳するのが習慣でしたが、時代と共にこのスポーツが衰退していき、この犬種の人気も落ちていきました。また、1898年に英国皇太子の努力により断耳が禁止にされたことにより、垂れ耳の自然な形がスタンダードになりました。今までは尖った耳が攻撃的な性格に合っていると考えられてきたため、この自然な耳が不格好に見えたこともあり、ブリーダー達もこの犬種への興味を失っていく結果に…。1860~80年代のドッグショーでは非常に人気のある犬種でしたが、第2次世界大戦が終わる頃にはほとんど絶滅状態になります。イギリス全土で登録されたマンチェスター・テリアは11頭しかいない、というところまで追い詰められましたが、断固として絶滅を防ごうとする愛好家たちが英国マンチェスター・テリア・クラブを結成して、保護を開始しました。その結果、頭数は回復しましたが、現在でもテリアの中では珍しい犬種となったまま今日に至ります。
性格の特徴
都会で生まれたマンチェスター・テリアは、都市に住む人のペットとしてピッタリな部分もありますが、やはり抱っこ犬とはイメージが異なります。アクティブで頑固者、テリアらしく一気に高ぶる面もあり、今でもネズミを捕まえられると思ってよいでしょう。おとなしくなでなでされる愛玩犬…というよりは、犬らしく元気で騒がしい犬と暮らしたいという願望、かつ、そういう犬と暮らせる環境がある人が飼い主として望ましいです。おもちゃ遊びはほどほどに。上手にテンションをコントロールして遊ぶことが大事です。
見た目の特徴
スムース(短毛)で光沢があり、ジェットブラック(漆黒)とマホガニーの色調のタンカラーを持ちます(ブラック・アンド・タン)。手入れは非常に楽でしょう。サイトハウンドが交配されているので流線形のボディが残っています。
犬種名 | マンチェスター・テリア(Manchester Terrier) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 小型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 30分×2回/日 |
平均寿命目安 | 15~17歳 |
体高 | ♂41cm ♀38cm |
体重目安 | 5~10kg |
犬種グループ | 3G テリア(terrier group) |
その他関連犬種:トイ・マンチェスター・テリア、ブル・テリア、ランカシャー・ヒーラー他
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