ヨーロッパ原産 人気度★3犬種 使役犬 抜け毛(多い) 超大型犬

グレート・ピレニーズ

犬種図鑑 グレートピレニーズ
Photo by aiko vanhulsen

人気度       3 out of 5 stars

初心者向き     3 out of 5 stars

お手入れの簡便度  1 out of 5 stars

フランスとスペインの国境を走るピレネー山脈には牧羊文化があり、山に羊や牛を放牧して乳製品や食肉を得ていました。ここで家畜をオオカミや熊から守っていたのがグレート・ピレニーズ(別名:ピレニアン・マウンテンドッグ)。他方、羊を追って動かす役割をしていたのがピレニアン・シープドッグという犬種です。山脈の反対であるスペイン側も含め、ピレネー山脈では数種類の犬種が生まれています。

犬種の歴史
犬種図鑑 原産国 フランス

グレート・ピレニーズはピレネー山脈でオオカミ、クマ、家畜泥棒から羊や牛を守る白い大型の番犬です。17世紀にフランスのルイ14世が、この犬種をフランスの王室犬に指定しました。白く厚いコートに覆われ、がっしりした体形でヨーロッパの高地で生きてきました。地方によっては白い犬が好まれ、グレート・ピレニーズに似た大型の家畜番犬が他のヨーロッパの地域に何種類かいます(クーバース、マレンマ・シープドッグなど)。19世紀には乱獲によってオオカミや熊など、家畜の天敵になる野生動物がほとんどいなくなったため、グレート・ピレニーズの仕事もすっかり無くなってしまいました。山の人々は番犬を飼うのをやめ、大部分をカナダに輸出します(カナダにはオオカミやコヨーテがいました)。20世紀初頭には絶滅の危機に瀕していましたが、貴族の門番犬として飼われていたこともあり、その美しい白い姿がドッグショーで次第に人気となり、1935年までにはアメリカとカナダのケネルクラブに登録されました。イギリスケネルクラブには少し遅れて、1988年に承認されます。一時は仕事が無くなったグレート・ピレニーズですが、近年はヨーロッパの山に戻り、家畜番犬の仕事に再就職しています。EU諸国では、激減したオオカミや熊が保護対象となり、家畜を襲ってくる彼らを殺さずに共存していく必要があるため、番犬を再導入し、電気柵を活用することで羊への被害を減らしながら生態系を維持する取り組みを行っています。

性格の特徴

穏やかでどっしりと構え、多少のことでは動じません。ただし、番犬由来の見張りたい欲求や警戒心は高いため、敷地内に入って来た人や、見知らぬ人、犬への吠えは多くあるでしょう。時には攻撃行動に出ることもあるため、子犬の頃からの社会化トレーニング、環境(慣れる)馴致トレーニングを行うことと、他と接する時に飼い主がきちんと管理をすることが大事です。どっしりとしているからといって、動きの素早い犬や子供に何をされても良い訳ではありません。時には羊飼いに放って置かれ、羊の番をしなければいけなかったため、自分で考えて行動する自立心も大いに持ち合わせています。体罰的な厳しさは必要ありませんが、一貫性を持つという意味での厳しさで家庭内のルールを教えるようにしてください。特に1歳から1歳半の思春期の時期には、飼い主側に相当な忍耐強さが求められます。飼い主さんは自分に厳しくできる人が向いているかもしれません…!必要な運動量としてはそれほど多くなく、むしろ1、2歳頃まではあまり激しい運動をしてしまうと成長過程の骨に負担がかかりすぎてしまうので注意です。日常の散歩以外には、たまにゆるく長めの散歩をしたり、ハイキングに連れてゆくと良い運動になるでしょう。

見た目の特徴

子犬の頃から厚い被毛に覆われ、毛量は素晴らしく多い。カラーは純白でなくてもよく、淡いイエローやオレンジの斑が許容されています。後ろ足に狼爪が2本あることが多く、この犬種の珍しい特徴になります。毛量が多いということは、抜け毛も多く、日々のブラッシングは大変な作業です。あとは暑さが苦手なのは見た目通り…!

寒い地方出身の大型犬には日本の夏はとっても過酷…!そういった犬の飼育経験のある人によると、家の中は犬に合わせた低い温度設定にし、真夏でも人間はダウンを着て過ごす…と言っているよ。その辺も考慮しよう。

犬種名グレート・ピレニーズ(Great Pyrenees)
原産国フランス
大きさ超大型犬
抜け毛の量多い
最低運動量目安40分×2回/日
平均寿命目安10~12歳
体高♂70~80cm ♀65~75cm
体重目安45~60kg
犬種グループ2G 使役犬(working dog group)

その他関連犬種:ニューファンドランドバスク・シェパード

Photo gallery

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