人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
ドイツでは唯一、犬種創立者の名前がついた犬種です。チューリンゲンのアポルダ出身のフリドリッヒ・ルイス・ドーベルマンは税収官でしたが、1870年代、あえて獰猛な犬を作っていました。その理由は、税金の取立てを行う相手を脅かし、かつ自分をしっかり護衛してもらうため。また、野犬狩りも行っていたので、人間に対してだけではなく、害獣や他犬に対しても激しく狩り立てる勇猛果敢さが必要でした。ドーベルマン氏がどんな犬種を交配したのか詳細は不明ですが、とにかく鋼の気性と優美なラインと無尽蔵のエネルギーを誇るガードドッグ(警備犬)創造の礎石を築きました。
一説にはロットワイラーの祖先となった牧畜犬をベースに、ワイマラナーや古いタイプのシェパードの血を入れたと言われます。1899年には犬種として定着し、翌年、ジャーマンケネルクラブに正式に犬種として認定されます。当時のドーベルマンは体高が低く重量感のあるタイプでしたが、1900年代初、イギリスでマンチェスターテリア、グレイハウンドを交配し、現在のエレガントな見た目に改良されたと言われています。1920年代にはロシアを含むヨーロッパ全土、南北アメリカにまで広がり、世界的に人気の犬種となりました。その他ある時点でのドーベルマンの遺伝子に加わった可能性のある他の犬種としては、ジャーマンピンシャー、ジャーマンポインター、ボースロン等と言われていますが、いずれも定かではありません。
性格の特徴
ドーベルマンの特徴には、俊敏さ、機敏さ、勇敢さ、頭の良さが挙げられます。また、かつては人間や他の動物に高い攻撃性を持つように作られていましたが、現在のドーベルマンは家庭犬として扱いやすくなるように攻撃的な気質も改良されてはいます。ただし、教えたことを楽々とマスターする訓練性能の良さ、膨大なスタミナがあることと同時に、裏を返せば必要な運動量や作業意欲が強いという面や防衛心も忘れてはいません。エネルギーが発散できていないと人間に都合の悪い行動(吠える、咬む、壊す…等)に繋がります。ただ道を歩いているだけでは満足しない犬種なので、十分な運動のほかに頭脳を刺激するような作業を常に用意してあげる必要があります。
人間に対しても他犬に対しても防衛心が強いため、幼犬の時から早期の馴致(慣れる)トレーニングも必要です。人、犬、猫、鳥、その他動物…など、動くものを追いかける本能も強いため、基本的な指示のしつけを完璧にこなせるよう練習していきたいところです。
現在では家庭犬として飼いやすく改良されているとはいえ、高い防衛心や狩猟本能は今も残っています。犬の飼育の経験があることはもちろん、見た目や犬種ブランドで安易に飼い出すことはおすすめしません。またのんびりとした性格の人、デリケートな人には向かない犬種と言えるでしょう。
見た目の特徴
短毛で短く、堅く、厚い被毛をしています。手入れは簡便でしょう。額に赤茶のタンマーキングがあるブラック、もしくはブラウン。かつては断尾、断耳されることがありました。
犬種名 | ドーベルマン(dobermann) |
原産国 | ドイツ |
大きさ | 超大型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 10~13歳 |
体高 | ♂68~72cm ♀63~68cm |
体重 | ♂40~45kg ♀32~35kg |
犬種グループ | 2G 使役犬(working dog group) |
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