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犬種の歴史
有名な童話「フランダース」の犬のモデルになった犬と言われます。しかし、アニメ版ではこの黒くてモジャモジャした犬は残念ながら選ばれず、別の犬種になってしまいました。くぅ…!
「ブービエ」はフランス語で牛や羊を追う牧畜犬の総称です。フランスとベルギーの国境に広がるフランダース地方原産の犬であるのが犬種名の由来になります。同じベルギーのブービエの中でブービエ・デ・アルデンヌと共に第一次世界大戦後に生き残りました。戦前の古くから牛追いや肉屋の人に飼われ、牛を放牧場から市場に移す際の牛追いや、酪農場からミルク缶を運ぶ荷運び、農場での番犬などを務めてきました。1910年に家畜追い犬としてドッグショーデビューをすると1912年には繁殖の犬種スタンダードができあがります。ブービエと名の付く犬種が他に数種いたのですが、第一次世界大戦の戦禍で家畜と共にほぼ絶滅してしまいます。そのような中、ブービエ・デ・フランダースは負傷した軍人を探して報告する伝令犬や救急犬として生き残りました。その後ベルギー軍の獣医バーブリー大尉がこの犬種の保護に尽力し、戦後に繁殖プログラムを開始して絶滅を防ぎました。大尉の犬が近代のブービエ・デ・フランダースの基礎犬となり、徐々に頭数は増えていきます。まもなく大西洋を渡って、1929年にはアメリカンケネルクラブに承認されました。その後アメリカでは、ケネディ大統領の奥さんの旧姓がブービエであったことから話題になり、社会的地位が上昇します。
性格の特徴
飼い主家族には非常によく懐きますが、農場の番犬らしく見知らぬ相手には警戒します。バイタリティと自信に溢れた犬のため、社会化トレーニングであらゆる性別、年代の人間に慣れる練習を行い、余計な防衛心を持たせないようにしつけを行いましょう。新しいことを覚えるのは好きですが、素直さは低め。とはいえ、欧米では家庭犬として飼われながら災害救助犬のトレーニングをしたり、多くのドッグスポーツでも活躍している犬です。特に足跡追及(トラッキング)では、精神面・体力面でのタフさを活かし、難しい状況でも決してあきらめないという素晴らしい側面も持ち合わせます。
見た目の特徴
荷運びをしていたと簡単に言いますが、とても過酷な環境下で営々と働いてきた犬種のため、胴体が詰まり安定性のある頑丈な体躯をしています。さらにショードッグとして見栄えが良くなるよう、現在の姿はオリジナルよりさらに大きく頑丈に作られていると言われています。上毛と下毛で構成された豊かなダブルコートです。羊毛のような巻き毛ではなく、粗く硬い感触のモコモコとした被毛です。毛の長さは約6cm。抜け毛は少ないですが、独特のシルエットを保つためには定期的なトリミングが必要です。また、被毛にほこりや砂がつきやすいため、こまめなブラッシングも要ります。コートの色はブラック、グレー、ブリンドルなど。かつては断尾、断耳されることがありました。
犬種名 | ブービエ・デ・フランダース ブービエ・デ・フランドル(bouvier des flandres) |
原産国 | ベルギー/フランス |
大きさ | 超大型犬 |
抜け毛の量 | 少ない |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 10~12歳 |
体高 | ♂62~68cm ♀59~65cm |
体重 | ♂35~40kg ♀27~35kg |
犬種グループ | 1G 牧羊犬・牧畜犬(herding group) |
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