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「オッター」とはカワウソのことです。カワウソは現在は各国で保護対象に指定されていますが、かつては釣りの邪魔になる害獣として盛んに狩られていました。カワウソ猟のための犬も存在していましたが、20世紀後半になると川の汚染も手伝って、カワウソの数が減少し保護対象となると、仕事を失った犬種も絶滅の危機に陥ります。このページはそんなオッターハウンドの物語です。
犬種の歴史
「オッター・ドッグ」とも呼ばれ、カワウソの捕獲をすることを専門にしていた犬種ですが、現在では本業はしておらず、ドッグショーか家庭犬(ペット)でのみ活躍する犬です。犬種の歴史は13世紀まで遡ると言われ、当時のジョン王がオッターハウンドの群れと狩りをしたとされています。14世紀のエドワード2世には初代オッターハウンドマスターという称号が与えられたと言い、カワウソ猟とオッターハウンドが当時はいかにメジャーなものであったかがわかります。20世紀初頭には20~30頭のオッターハウンドの群れがイングランドの川で働いていました。釣りがしやすくなるようにカワウソの数をコントロールすることが主な目的でしたが、川の汚染も手伝って、予想以上にカワウソの数が激減し絶滅寸前まで減少してしまいました。1978年にはカワウソの絶滅を防ぐための法律も制定され、オッターハウンドは一転して悪者扱いされるようになります。カワウソ捕獲禁止法の制定によってオッターハウンドのブリーダーやオーナーはショックを受け、法制定後まもなく多数の犬を処分してしまったと言います。このままではオッターハウンドの犬種存亡があぶないと危惧した愛好家たちによって、イギリス・オッターハウンド・クラブ(犬種クラブ)が設立されたものの、結局、イングランド北西部ケンダルとスコットランド南西部ダンフリースにそれぞれ一つずつの群れが残っていたのみで、その数100頭程度でした。本業で生きる道が無くなったからにはドッグショー路線に行くしかない…ということでショードッグとして整えられ出展したところ、大型で外見的な魅力もあり、たちまちショーの人気者になりました。こうして見事、犬種再建を達成しました。
オッターハウンドがどのような犬を祖先としてできあがったかは記録が乏しく定かではありません。最初の頃のオッターハウンドに純血性はなく、冷たい川に喜んで飛び込んでいく犬なら何でもいいという考えで作られていたようです。その頃のオッターハウンドはテリアに近い外見だと思われますが、徐々に改良されるにつれテリアの要素は薄れ、ハウンド的要素が強くなったとされています。ブラッドハウンドやエアデール・テリア等の脚の長いテリア、さらにはフォックス・ハウンド等がかけ合わせられたと推測されます。
性格の特徴
集団で行動し、川沿いを嗅ぎまわったり泳ぎ回ったりしてカワウソを突き止めていました。そのため嗅覚の鋭さが群を抜いていると言われます。水好きな性格とよく通る吠え声をしています。明るく社交的で、子供と仲良くできる犬種ですが、作業意欲が強いため都会の家庭犬向きではなく、十分運動できるスペースと、犬との時間が取れる人に限られるでしょう。
見た目の特徴
冷たい川で仕事をしていたので耐水性の高いぶ厚いダブルコートをしています。毛は硬く、毛深い。足には水かきがついています。途中でトリミングはせず、そのまま伸ばして自然風にするのが愛好家の習わしのようです。伸びきるのは3歳頃までかかります。
犬種名 | オッターハウンド(Otterhound) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 超大型犬 |
抜け毛の量 | 多い |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 10~13歳 |
体高 | ♂69cm ♀61cm |
体重目安 | 30~52kg |
犬種グループ | 6G 嗅覚ハウンド(scenthound group) |