人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
名犬ラッシーのモデルだよ!
犬種の歴史
コリーはイングランド北部からスコットランドにかけた地域で牧羊犬として働いていた犬の総称でもありました。「コリー」という名前の由来には、古い英語の「黒い」という意味で、黒い顔の羊を追う犬がコリー・ドッグと呼ばれるようになった…という説や、ゲーリック語またはアイルランド語の「わんちゃん」を意味する言葉である「コリー」からきたという説があります。最初はスコットランドの牧羊犬という意味で「スコッチ・コリー」と呼ばれていましたが、単に「コリー」というとこの犬を指すようになります。当初のコリーは今ほどの毛量やサイズは無く、パフォーマンス面で改良を受けて、ボーダーコリーになった者…あるいは、ボーダーコリーになる前の牧羊作業を持ったままイングリッシュ・シェパードという名前で保存されました。現在のコリーは、ショードッグとして改良されたスコッチ・コリーの末裔と考えられています。
1860年代にヴィクトリア女王がコリーを愛好し繁殖をしていたため、コリーの人気が大きく高まりました。女王が飼っていたのはスムース・コリー(短毛タイプ)でしたが、当時はこの2種は同種として扱われ、イギリスのケネルクラブも2種間の交雑を許可していました。女王の影響でラフ・コリーも同時に人気が出て、ショードッグとしても活躍するようになりました。そのため、犬種の特徴をはっきりとさせるため、ロシア皇帝がボルゾイを王室に贈った際に、ボルゾイとコリーの交配が行われたと言われています。こうして長い顔が助長され、さらにはコートカラーにも特徴を出すため、ゴードン・セターの血も導入されていきました。
戦時中は救護物資運搬犬や伝令犬として活躍しました。20世紀にラフ・コリーの名声がさらに高まったのは、ハリウッドによる感傷的な映画シリーズ「名犬ラッシー」にこの犬種が起用されたためです。1943年から1951年まで「ラッシー」映画は7本、さらにテレビ化され長寿番組となりました。日本を含め、世界中でラフ・コリーブームが起き、みんなが欲しがり飼いたがった結果、びくびくと極端に神経質な、コリーらしからぬコリーが量産されることになりました。現在はブームも落ち着き、誠実なブリーダー達の努力によって偏った気質は改善され、コンパニオンドッグやショードッグとして人気を維持し、愛好されています。
性格の特徴
現在ラフ・コリーは牧羊犬種として活躍することはあまりなくなりましたが、牧羊犬気質は今もまだ多く残されています。また、ブームによる劣悪な繁殖が落ち着いたとはいえ、神経質な一面は常として牧羊犬種が持っているものです。念入りな社会化トレーニングや環境馴致(慣れる)トレーニングはどの犬種も必要ですが、それを経ても見慣れない物や動き、状況に敏感に反応することがあります。牧羊犬種特有のバイク追い、自転車追いなどは、ラフ・コリーは体も大きいため、きちんと制御できるように基本トレーニング(お座り、まて等)を飼い主が行う必要があります。制御できなくなってからトレーニングするよりも、反応が少なく体も小さい子犬の時から、飼い主とのコミュニケーションとしてトレーニングを一緒に行ってください。学習力と飼い主へのコンタクト欲は良いので、トレーニング次第で様々な才能を伸ばすことができるでしょう。ドッグスポーツなど、身体面・精神面でアクティブな活動が向いていますし、喜んで取り組んでくれる犬種です。
見た目の特徴
長く流れるような被毛と、ふさふさとしたたてがみと襟毛持つ、非常に美しい犬種です。毛色はセーブル、トライカラー、ブルーマールがあります。長毛で毛量が多いので、被毛のお手入れに覚悟が必要になります。こまめなブラッシングが必要です。また、シャンプーも家庭で行うにはなかなか大変な作業になると思われるので、トリミングサロンを活用することになる可能性があります。その費用面も飼育前に考慮しましょう。また、コリー種にはコリー特有のコリー眼異常や、まつ毛の発育異常など、かかりやすい病気もあるため、その点も把握してから飼いましょう。
犬種名 | ラフ・コリー(Rough Collie) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 大型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 60分×2回/日 |
平均寿命目安 | 14~16歳 |
体高 | ♂56~61cm ♀51~56cm |
体重目安 | 20~35kg |
犬種グループ | 1G 牧羊犬・牧畜犬(herding group) |
その他関連犬種:シェットランド・シープドッグ
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eye-catching photo by No-longer-hereによるPixabayからの画像