フレンチ・ブルドッグ

人気度　　 　　　　

初心者向き　　　　

お手入れの簡便度　

犬種の歴史

ブルドッグといえば本家はイギリスになりますが、フランスでそのブルドッグを小型化し耳の形に変化をつけ、愛玩犬になったのがフレンチブルドッグ（フレブル）になります。1850年代にイギリスの労働者たちが小型のブルドッグを飼っていましたが（小型のものはブルドッグらしくないとされ労働者達に売られる対象でした）、産業革命で仕事を失いそうになった一部の労働者たちが他の土地に移り住むようになります。そのときに犬も連れて行かれたと考えられ、移り住んだ北フランスではペットとしての価値に加え、ネズミ捕りを得意としていました。この過程でテリアと交配されたと見られ、耳の形が変化したブルドッグが誕生し出します。ブルドッグは垂れ耳で後ろにねじれた様なローズイヤーと呼ばれる耳を持つのが普通で、フレブルがイギリスに逆輸入された当時はイギリス人たちが強く反発しました。

対するフレブルは耳の付け根が広く先端が丸いバットイヤー（コウモリ耳）を持っていましたが、新しい小型犬をパリ市民が聞きつけると都会のペットとして好んで飼われるようになりました。そのうち上流階級の人々や芸術家たちの注目も集め、数々の絵画にフレンチブルドッグが登場しています。そして1880年にパリでフレブルの犬種クラブが設立されます。

当時はフレブルの中にもバットイヤーとローズイヤーの犬が混在しており、イギリスに入った当初は特にバットイヤーは歓迎されませんでしたが、アメリカでも人気が出ていたため「フレンチブルドッグはバットイヤーの犬」としてアメリカ人によって強調され、英国ブルドッグと差別化するように進んでいきます。1898年には、フランスのケネルクラブで犬種スタンダードも定められ立ち耳のブルドッグ「フレンチブルドッグ」として公認されました。そして現在のイギリスでは大人気犬種の一つでもあります。

性格の特徴

明るく溌剌とした性格で遊ぶのも大好きです。頑固な面がありますが、一貫性を持って根気強く教えれば一通りのことを覚えます。しかし、人気犬種だからこそ問題行動の報告も多くあります。興奮しやすく手が付けられなくなったり、お手入れなど嫌なことをされそうになった時に咬めばよいと学習してしまうと大変です。本来あごの力が強いため、子犬の頃から基本的なしつけをしっかり行いましょう。社会化トレーニング、環境馴致（慣れる）トレーニングを行い、家庭内できちんとしたしつけを行っていれば、吠えもそれほど無く、愛嬌があってみんなに愛される家族の一員になれる犬種です。初心者飼い主さんでも十分飼えますが、フレブルのしつけ、健康面の知識は身につけましょう。特に子犬の頃はドッグトレーナー等専門家にアドバイスをもらうと良いでしょう。

見た目の特徴

体高や体長は大きくないですが、がっちりとした体格をしているため体重は重め。鼻ペチャ犬と呼ばれる短頭種（マズルと呼ばれる口の部分が短い）の一つです。スクリューテイル。短頭種はその変わった見た目ばかりを追い求めて交配をした結果、呼吸器系の問題が起きやすいとされています。また皮膚トラブルや暑さに弱い面があります。激しい運動を避けたり、飛行機に乗せられない等の生活上の注意事項があるので事前に家族間で確認を。健康には恵まれた犬種では無いとも言われるので、健全な個体を繁殖しているブリーダーを選ぶようにしましょう。また、肥満には注意です。短毛のため、日常的には体を拭く程度で済むので非常に簡便です。あとは顔のシワに汚れがたまり易いので、しわの間を拭き取って清潔に保つようにしましょう。

グルーミングの練習として顔回りを触られることに慣らすのがおすすめ。せっかく顔を拭こうと思っても、嫌がってできないなんてことにならないように子犬の頃から練習ね。

日本や、今やイギリスでも大人気犬種。ブヒブヒと鳴らす鼻がかわいいともてはやされがちですが、短頭種の極端な身体的特徴は犬種の健全性が損なわれていると世界的に問題になっています。大きな鼻音やいびきは深刻な問題になっており、呼吸器障害の疑いがあるとされています。この犬種の当たり前と思わないでね！

その他関連犬種：ボストン・テリア

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