人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
犬種の歴史
ダックスフントだけで一つの犬種グループとして認められているよ。3種の大きさと3種の被毛タイプにより9種のダックスがいるの。ドイツ語でダックス「dachs」はアナグマ、フント「hund」は英語ハント「hunt」(狩り)に当たるもので、アナグマ猟に使われています。アナグマの巣穴に潜っていく必要があるため、体高よりも胸囲を重視しカテゴリー分けされています(下記参照)。
ダックスの由来については多くの説がありますが、最も有力なのは現在のジャーマンハウンドの元になった犬が祖先という説です。ローマ時代の中央ヨーロッパの遺跡物から現在のダックスフントによく似た犬の骨が発掘されています。またジャーマンハウンドとダックスフントは解剖学的に非常に似ており、この犬種を短足化したものがダックスであると考えられています。
原産国のドイツに限らず、1700年以前に中央ヨーロッパ、北欧、東欧に存在していました。その頃から現在まで狩猟犬として長く人間をサポートしてきた犬になります。この頃のダックスは現在の見た目とは少し異なり、一説によるとフランス革命後に貴族が国外に逃げるときに一緒に連れてきたバセット・ハウンドがドイツの土着犬に混ざっていったとされます。ここからさらに改良を重ね見栄えが良くなってくるとショードッグやペットとして人気が高まります。その結果、胴はさらに長く無駄のない形となり、四肢はさらに短くなっていきました。当時のビクトリア女王は1840年頃にはダックスを飼っていたとされます。原産国のドイツの先を越して、すでにイギリスでは1811年に犬種クラブが設立されていました。ドイツで犬種クラブができたのは1888年になってからのことでした。
1800年代ではダックスと言えば、スムース(短毛)タイプが主流となっていましたが、ロング(長毛)とワイヤー(針金状)も存在していました。ロングコートは元々ダックスに短毛と長毛が同胎として生まれていたので、この違いに注目し改良していったとされる説があります。別の説では、スムースにセッターかスパニエルをかけ合わせて作ったとも言われます。ワイヤーは1800年代後半にはかなり数が少なくなっていましたが、これを復活させるため、スムースにワイヤーヘアード犬種をかけ合わせて作られました。その犬種はワイヤーヘアードジャーマンピンシャー(シュナウザー)やアイリッシュテリア、ダンディ・ディンモント・テリアなどと言われていますが、明確にわかってはいません。
性格の特徴
ダックスフントはアナグマの巣穴に潜っていき、吠えたててその場に留める役割が主です。自分より体の大きなアナグマに怯まず吠える、そして継続して吠え続けることを要求されます。その声を頼りに漁師がアナグマを狩る…という流れです。この役割を考えると、家庭犬としても吠えやすい犬種といえます。また、小型犬ですがずっしりとした胴をしているため、声も太い(キャンキャンというよりワンワン)。この点を受け入れられる飼育環境か考慮しましょう。
とても賢い犬のため訓練性能は良いです。欧米諸国では現在も上記のお仕事をしていたり、手負いの獲物をなるべく早く仕留めるためのブラッドトラッキング(血痕追跡)ドッグとして活躍していたりします。地面の血痕の匂いを丁寧に嗅ぎ取りながら正確に跡を追う、集中と落ち着きが求められる作業です。家庭犬としては多少の吠えはあるかもしれませんが、きちんと教えることができればフレンドリーで落ち着きのある犬に育てることができるでしょう。
社会化不足と飼い主さんの技術不足で誰彼構わず吠えまくっているダックスを見ることがあるよ。幼犬の頃から社会化トレーニングで見知らぬ人や犬になるべく警戒心持たないようにすることや、基本の指示で吠えをコントロールする技術を飼い主も身につけると良いでしょう。しかし、本来の仕事を考えると全く吠えないことを求めるのは犬種が生まれた歴史に矛盾したことになります。ある程度の騒々しさは覚悟した方が良いでしょう。
見た目の特徴
大きさ:スタンダード、ミニチュア、カニンヘン
最低15ヶ月齢の時点での胸囲で分けられます(下記表「胸囲」欄参照)。
犬種名 | ダックスフント(Dachshund) |
原産国 | ドイツ |
大きさ | 小型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 30分×2回/日 |
平均寿命目安 | 13~16歳 |
胸囲 | スタンダード♂37~47cm♀35~45cm/ミニチュア♂32~37cm♀30~35cm/カニンヘン♂27~32cm♀25~30cm |
体重 | ~9kg |
犬種グループ | 4G ダックスフント(dachshund group) |
被毛タイプ:ロングコート(長毛)、スムースヘアード(短毛)、ワイヤーヘアード(針金状)
Photo gallery
カラーは被毛タイプによって若干異なりますが、レッド、ブラックタン、ブラウンタンや、まだら模様のダップル(マール)などがあります。スムースヘアードであれば手入れは非常に簡便で、ロングコートやワイヤーヘアードはブラッシングが必要です。ワイヤーヘアードは口周りを清潔に保ちましょう。いずれも地面に近いのでお腹の下が汚れやすい部分です。
胴長の犬は腰に負担がかかりヘルニアなどの故障を起こす事が多い犬種です。室内で日常的にソファから飛び降りたり、飛び跳ねる癖をつけてしまうと長年の蓄積でシニア期に故障する可能性があります。ソファにスロープを付ける等、適切な飼育環境を用意することや、そもそもソファに登らせないようにする、飛びつきの癖をつけないようにする…等、幼犬の時からしつけをすることをお勧めします。また体重が重いことも腰に負担をかけるため、肥満には注意です。
Photo gallery