人気度
初心者向き
お手入れの簡便度
シェルティという愛称で呼ばれるよ。
犬種の歴史
原産地であるシェットランド諸島は、800年代の中頃にはノルウェーの領土でした。600年間のノルウェー支配下後、スコットランドの領土となり、ここにスコットランドから当時ワーキング・コリーと呼ばれていた牧羊犬が入ってきます(ワーキングコリーはラフ・コリーやボーダーコリーの元となった犬)。この犬とシェットランド諸島に既にいた犬、おそらくノルウェー原産のスピッツや、アイスランドの猟師が連れてくるスピッツとの交配によりシェットランド諸島オリジナルの牧羊犬種が出来上がりました。シェルティは他の牧羊犬種と比較すると小型ですが、シェットランド諸島にはシェトランド・ポニー、シェットランド・シープなど小型の牛や馬や羊がいることで有名な地域のため、家畜を管理する犬も小さくても問題ありませんでした。家と農場を守り、ネズミなどの害獣駆除、そして昔は柵が無かったため、羊の群れの管理と畑の農作物を羊が食べてしまわないように管理することが役目でした。島に来る船乗りたちのお土産品としても人気で、19世紀にはイギリス海軍の水兵たちが家族へのお土産でシェルティを買って帰りました。その頃から、家庭犬(ペット)としての人気も高まり、1909年にはスコットランドで犬種クラブができ、1914年にはイギリスで設立されます。それ以降、シェルティの人気は高まる一方でしたが、シェットランド諸島での牧羊犬としての需要は減少していきます。小作地が徐々に広くなり、それに合わせて大型のシープドッグが必要になったためです。こうしてシェルティは本来の役目からは離れてしまいましたが、ドッグショーの世界では美しいコート(被毛)で現在も大変人気となっています。
性格の特徴
現在は羊を追う役目をしていなくても牧羊犬気質を兼ねそろえている犬です。牧場番犬として働いていたため、生まれつきの吠えやすさや見知らぬ人に警戒心を持ちやすい一面があります。子犬の頃から環境馴致(慣れる)トレーニング、社会化トレーニングを行い、過剰に用心深くならないよう育てましょう。落ち着きがありますがのんびり屋さんではないので身体的な運動不足、精神的な刺激不足にならないよう気をつけましょう。十分に発散できていないと引っ張り、吠え、バイク追い、破壊行動等の牧羊犬らしい問題行動に悩まされるケースが多くあります。
すばやく動くものへの反応が日常生活で出やすいよ。バイク、自転車、ランニングしてる人…などにむかって突発的に走り出したり、吠えまくる追いかけ行動や空間からふと出て行こうとする人を追う行動をよく見ます。これらはコーギー、ボーダーコリー、シェルティ等、牧羊犬・牧牛犬にみられる行動です。動く羊や牛を見て、ボーっとしているようでは務まらないお仕事だから当然だね。
小型で扱いやすく、機敏ですばしこく、跳躍力があります。元気はつらつに、飼い主には忠実にコマンドをこなそうとしてくれます。基本的な社会化トレーニングを行っていれば他の犬に対しても過度に興奮したり怯えるようなことは少ないでしょう。明るく、賢く、頭と体を使うことが好きな犬種のため、アクティブな遊びやドッグスポーツにも喜んで取り組んでくれるでしょう。
見た目の特徴
子犬から2、3歳の若い犬の時はまだ毛量がそろっていませんが、4、5歳の頃になると全体の毛量が生えそろい、大変立派な美しい被毛に覆われます。トリミングをする犬種ではありませんが、シャンプー&ブローにちょっと手間がかかります。また、この毛並みを美しく整えるためのブラッシングは頻繁に必要になってきます。毎日か、最低でも数日に1回はブラシをかけてあげましょう。抜け毛の量は普通ですが、これも長毛のため掃除が大変な面もあります。こまめに手間暇をかけられ、神経質すぎない飼い主さんに向いているでしょう。カラーは様々あり、セーブル、トライカラー、ブルーマール、ブラックアンドホワイト、ブラックアンドタンなどがあり、どのカラーにも頭や胸に白いマーキングが入ります。
犬種名 | シェットランド・シープドッグ シェルティ(Shetland Sheepdog) |
原産国 | イギリス |
大きさ | 小型犬 |
抜け毛の量 | 並 |
最低運動量目安 | 30分×2回/日 |
平均寿命目安 | 12~13歳 |
体高 | ♂37±2cm ♀35.5±2cm |
体重目安 | 7~9kg |
犬種グループ | 1G 牧羊犬・牧畜犬(herding group) |
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