ヨーロッパ原産 中型犬 人気度★4犬種 抜け毛(並) 牧羊犬・牧畜犬

ボーダー・コリー

犬図鑑 ボーダーコリー 牧羊犬
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人気度       4 out of 5 stars

初心者向き     2 out of 5 stars

お手入れの簡便度  3 out of 5 stars

羊を追う牧羊犬として有名だね。ハーディング系シープドッグ(群れを追う牧羊犬)もそれぞれの土地によって様々な動き方をするよ。コーギー等が「ヒーラー」と呼ばれるのに対して、ボーダーコリーは「ヘダー」、もう一つ「ハンタウェイ」という3つのカテゴリーがあるんだ。

犬種の歴史
犬図鑑 原産国 イギリス

ボーダーコリーと呼ばれるようになったのは20世紀初めの頃からですが、実際はとても古い犬種で何世紀にも渡って牧羊犬として活躍していました。イギリスとスコットランドの国境(ボーダー)にある山地で起伏の激しい地形で長時間働かせるために生まれた犬種です。羊毛業が盛んになった15世紀頃からイギリスには既に優秀な牧羊犬が存在していましたが、最初からボーダーコリーの様に強烈な作業能力を持っていた訳ではありませんでした。イギリスやスコットランドにおける牧羊犬は総括して「コリー」と呼ばれ、各地にローカルタイプが存在していたと言われます。1873年からハーディング(群れを追うこと)競技会が開催されるようになると、イギリスとスコットランドの国境出身のコリーがよく勝つことで評判になります。この犬たちは体を低くして這う様に羊に近づき、目で相手を睨みつけてコントロールすることが特徴でした。この犬たちは当初ワーキングコリーと呼ばれるようになり、1906年に国際シープドッグ協会ができて牧羊犬の登録が始まると、出身地の国境にちなんでボーダーコリーと呼ばれるようになりました。

体を低くし羊を凝視する姿はボーダーコリーがよく取る動作で、この動作をアイ(EYE)と呼びます。ボーダーコリーならではのアイは家庭犬(ペット)として飼っていてもボール投げの時にボールに対して取っていることがよくあります。アイによって羊にプレッシャーをかけ、群れを動かします(下部写真参照)。このような動かし方をする牧羊犬をヘダーの中でもアイ・ドッグと呼びますが、ボーダーコリーの他にはケルピーやアイ動作が極端に強いニュージーランド・ストロング・アイ・ヘディングドッグという犬がいます。ボーダーコリーたちアイ・ドッグほど頭を下げて凝視するのではなく、目だけではなく体で羊にプレッシャーをかける牧羊犬をヘダーの中でもルース・アイと呼びます。

牧羊犬の種類 ハーディング

このように牧羊犬と一口に言っても様々なカテゴリー・グループに分けられていますが、それはイギリス及びヨーロッパ大陸の地理的要因や羊の種類によってそれぞれ適した作業気質を犬に求めていった結果といえます。あらゆる牧羊作業にボーダーコリーが最適と言う訳ではなく、ある場合では他の牧羊犬種の方が向いていることだってあります。イギリスでは1800年代に既に主にオオカミなどの羊の天敵である野生動物が絶滅しており、羊は監視されることなくのびのびと暮らすことができていました。天敵から羊を管理するために日々柵の中に出し入れされることも減り、羊飼いという人間の動きに不慣れになっていった結果、怖がりやすく、それ故すぐに逃げようとする羊が現れます。何かあると敏感に四方八方に散らばるため、それを防ぐために羊を一頭一頭、丁寧に処理できる動きとコントロール能力を発達させたのがボーダーコリーになります。一方、ヨーロッパ大陸ではその頃はまだオオカミやクマなどが存在しており、農作物の畑と密接するような小さな枠内の牧草地しか羊にはあたえられなかったため、その枠内に羊を留めておくのがルース・アイの牧羊犬の仕事でした。羊の群れに対して牧草地の周りを行ったり来たりして、見えない柵としての機能を果たしました。また牧草地間の移動や夜は、柵の中に羊の群れを誘導しますが、主に誘導は羊飼いが行っており、アイ・ドッグのように犬が誘導するのではなく、ルース・アイは群れがばらけないように羊の動きを制御する役目を負っていました。このようにイギリスで発達した牧羊犬と、大陸で活躍した牧羊犬では、動き方や使われ方が大きく異なっています。また、コーギーの様なヒーラーやハンタウェイ、番犬系シープドッグも全部まとめて牧羊犬カテゴリーの中に入っています。

性格の特徴

「犬の中で一番賢い犬種」と言われ、それは彼らには何ら間違いはなく、相手を喜ばせようという気持ちがあり、アジリティ、フライボール、オビディエンス(訓練競技会)等のドッグスポーツにおいて軒並み上位をさらっていく犬種です。しかし、求められるものは飼い主側にも多いのが事実です。無敗の競走馬もコントロールや指示が正しく出せる有能な騎手が乗ってこそ連戦連勝するもの。馬に乗ったことがない人間が無敗馬に乗ったところで瞬時に落馬しこちらは大怪我、馬は軽快に走り去ってしまう…。家庭内ではルールの枠組みを決めて正しく指導できればボーダーコリーはすばやく理解し、何の問題も起こさないでしょう。また、広大な土地で羊を追う運動能力と作業意欲(常に何かしていたい)を十分に発散させる必要があります。毎日の散歩は時間たっぷりと。また、ただ道を歩いているだけではボーダーコリーは満足してくれません。上記の様なドッグスポーツに取り組むのも良いですし、日頃からボールを投げたり、ディスクを投げたり、引っ張りっこ遊びをしたり…とアクティビティを取り入れましょう。身体的、精神的に発散できていないと引っ張り、吠え、バイク追い、破壊行動等の問題行動に悩まされるケースが多くあります。彼らにとっては何よりも退屈が敵!常に何かやること(作業)を与えましょう!

すばやく動くものへの反応が日常生活で出やすいよ。バイク、自転車、ランニングしてる人…などにむかって突発的に走り出したり、吠えまくる追いかけ行動や空間からふと出て行こうとする人を追う行動をよく見ます。これらはコーギー、ボーダーコリー、シェルティ等、牧羊犬・牧牛犬にみられる行動です。動く羊や牛を見て、ボーっとしているようでは務まらないお仕事だから当然だね。

経験者さんはもちろん、初心者飼い主さんでも日々の運動のための時間を取れる事や、休日にはドッグスポーツに取り組みたい!という意欲のある方なら、ボーダーコリーと一緒に学びながら楽しいドッグライフが送れるでしょう!

見た目の特徴

長毛で黒と白のカラーであることが多いですが、スムース(短毛)タイプも存在ます。また、カラーはほぼどの色でも認められています。白の過多が認められないだけで、バイカラー、トライカラー、マールなど様々な配色がOKです。ボーダーコリーは姿かたちよりも牧羊犬としての性能の方が繁殖基準になっています。スムースの場合はお手入れは簡便ですが、長毛の場合はブラッシングが必要になります。

犬種名ボーダーコリー(Border Collie)
原産国イギリス
大きさ中型犬
抜け毛の量
最低運動量目安60分×2回/日
平均寿命目安10~17歳
体高♂53cm ♀~53cm
体重目安16~23kg
犬種グループ1G 牧羊犬・牧畜犬(herding group)

e-catching photo by Katrin B.によるPixabayからの画像

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